クリスト ディ カンポベッロ

アフリカ大陸からの影響を受ける土地 クリスト・ディ・カンポベッロ社は、シチリア南西部 のアグリジェントの東側、カンポベッロ・ディ・リカー タに位置する新鋭ワイナリー。元々はアグリジェントの 銘家であったボネッタ家がこの地に移り住んできたのが 2000年の事。2009年がファースト・ヴィンテージという 若手生産者ながら、世界各国のワインガイドから絶賛さ れる程の急成長を遂げている。 この地域は、アフリカ大陸に最も近い場所であり、大 陸からの影響を強く受ける。6、7月にはアフリカ大陸か らシロッコと呼ばれる季節風が吹く。40℃を超える熱風 が、秒速30mで吹き荒れる。まるで台風の様な風だ。

《そら豆を用いた緑肥》

結晶性石灰岩が混ざった畑 クリスト・ディ・カンポベッロ社の畑がある場所は、 白いキラキラとした石が多く目立つ。日差しを反射する まぶしさがあり、手で触ると、真っ白にパウダーが付く 事もある。 この石は貝殻やウニなどの化石が堆積してできた炭酸 カルシウムが火山活動のマグマに温められて、再結晶し た結晶性石灰岩と呼ばれるもの。大理石の仲間であり、 海由来のミネラルを豊富に含む。その為、彼らのワイン は、熟度、糖度が高いだけではなく、余韻に塩味、苦味 を感じられる事が多い。 ミネラルが豊富な事は、葡萄畑にとっては良いが、醸 造所にとっては厄介。彼らが掃除などに使用する地下水 は、石灰が白く固まってホースを詰まらせる。その為、 特殊な装置で濾過をしてからでないと、水が使えないら しい

《畑に点在する結晶性石灰岩》

ビオロジック農法 彼らの畑に立つと、風がずっと吹いている事に気が付 く。雨も多く、湿度の高い地域だが、この風が絶え間な く吹いている事で、葡萄畑は病気に侵される事無く、健 康に保たれる。 この恵まれた気候、土壌を活かす為に、徐宗次、農薬 などの化学肥料に頼る事のないビオロジック農法を選択 している。 また、収穫が終わった畑では、畝にそら豆を植えて育 て、春に土に返す緑肥を隔年で施し、土壌に窒素供給も 行うなどの工夫をしている

《ボネッタ家の3人》