ラ・キアーラ
ガヴィに人生を捧げた家族
ラ・キアーラ社は1912年、フェルディナンド・ベルガリオによって設立されたワイナリー。以後100年以上に渡って、4世に引き継がれている家族経営の小規模生産者。ガヴィ・ディ・ガヴィ(正式にはガヴィ・デル・コームネ・ディ・ガヴィ)を名乗れる、由緒ある区画に畑を所有している。2代目当主(現当主の祖父)は、ガヴィの優良生産者として世界的に有名なラ・スコルカ社の元醸造担当。コルテーゼを知り尽くした家系である。2017年には4代目にあたるダリオとシモーナ兄妹がワイナリーに戻って来て、よりスタイリッシュにガヴィを世界に発信するように変化している。
酸化に弱いコルテーゼ
ガヴィの唯一使用して良いコルテーゼ種は、この地の土着品種である。実はコルテーゼは非常に酸化に弱い事でも有名。ラ・キアーラ社は小規模生産者ならではの強みとして、収穫をした直後にプレスをして、醸造をスタートさせている。大規模な生産者だと、通常1日2日経ってからプレスする事が多いという。更に、酸化しないように最新鋭のエアプレス機を使う事で、品質は向上しているそうだ。昔はプレス後のジュースは黄色っぽかったが、現在のジュースは綺麗な緑色。どれだけ健全な葡萄ジュースを得られているのか一目瞭然である。
異なる土壌の葡萄による調和
ガヴィの地域は複雑な土壌が入り混じっている地域。ロヴェレートにある標高300mを超える山の中の畑は、石灰岩が目立つ、白い畑。対して、カンティーナの周りの250m程度の畑は、赤土が混ざる粘土質の土壌。全く異なる個性が存在するのが、ガヴィの面白いところでもある。生産者によっては、土壌毎にワインを造り出す事もあるが、ラ・キアーラ社はそれらをアッセンブラージュする事で、ガヴィという地域の表現に力を注いでいる。彼らは大きく分けて、3つのパーセルの畑を所有する。それらのパーセル毎にタンクを分けて醸造を行うが、最終的にアッセンブラージュする事で、ヴィンテージによる差を小さくし、毎年安定した味わいに仕上げている。
3つのスタイルのガヴィ
ラ・キアーラ社のガヴィは3つのガヴィを造り出している。1つ目は、ガヴィのアイデンティティを表現しているクラシックなワイン。アペリティフから軽い前菜などに合わせて活躍できるタイプ。2つ目は、2日間だけマセレーションする事で、コルテーゼの持つ香り、個性を表現しているエチケッタ・ネラ。リッチな魚介類にも負けない力強さがある。3つ目は、バリック熟成によって若干の酸化を促しながら深みを表現したグロッペッラ。赤身肉のメインディッシュに合わせても遜色ない味わいになる。シーンによって、是非使い分けて頂きたい。
参考上代 / 2,750円
タイプ / 白
産地 / Gavi
品種 / コルテーゼ
熟成/ ステンレスタンク
様々な土壌の畑の葡萄を使用。酸化しない様にプレスをした後、低温管理したステンレスタンクにてシュール・リー。シトラスの香り。鉱物的なミネラルの要素が強く、全体的にシャープな味わい。
参考上代 / 4,290円
タイプ / 泡白
産地 / Rovereto – Gavi
品種 / コルテーゼ75%、シャルドネ25%
熟成/ ステンレスタンク
24ヶ月の瓶内2次醗酵。ロヴェレートの特徴である海底由来の砂質の畑で、ミネラルが豊か。ドザージュは状態により0~6g/Lに変化。白い花、繊細なアーモンド、柑橘のニュアンス。通常よりも冷やしめがお勧め。
参考上代 / 3,850円
タイプ / 白
産地 / Gavi
品種 / コルテーゼ
熟成 / 225Lの小樽にて10ヶ月
樹齢45年以上の古樹の葡萄を使用。醗酵から熟成まで、225Lのフランス産小樽を使用。毎週バトナージュする事で、液体に旨味を移す。アプリコットやグレープフルーツの香りに、バニラのニュアンス。肉料理にも負けない構成力。