テデスキ

1630年から続く老舗ワイナリー

 フラテッリ・テデスキ社は、1630年からヴァルポリチェッラのアイデンティティを伝える指折りの老舗ワイナリーである。400年のも間、テデスキ一族により守られてきた会社で、その実力は世界中で認められている。現在は、当主ロレンツォの3人の息子たちがワイナリーを引き継いでおり、46haもの葡萄畑を有する。ヴァルポリチェッラの長い歴史、醸造技術、文化を重んじ、伝統的なヴァルポリチェッラ、アマローネを世に送り出している。この3兄弟は、ヴァルポリチェッラの伝統を重んじながらも、醸造技術のブラッシュアップ、畑の土壌分析、自然治癒力を高める研究などにも取り組み、サステナブルな農業の実現を目標に掲げている。近年、EQUALITAS(イタリアのサステナブル認証団体)やBiodiversity Friend(生物多様性の保全認証)なども得ている。

《400年続く家族経営の今を支える3兄弟》

グラン・クリュ『モンテ オルミ』

このモンテ・オルミ園は、水はけの良い急勾配の南西向き斜面に、石畳で造られた段々畑である。石灰岩を削り取った氷堆石で、赤い粘土質が混じった土壌。誰もが羨むグラン・クリュ(特級畑)であった。1918年に購入した2.5haの畑は、当時から上質な葡萄を産み出す事で有名であった。1964年、現当主のロレンツォは、このモンテ・オルミ園の葡萄だけで、ワインを造る事を決心した。当時のイタリアでは、単一畑の概念が広がっていない頃で、これは画期的な試みであった。これが、ヴァルポリチェッラ地区で初の単一畑のワインの誕生となった。

《ヴァルポリチェッラ初の単一畑モンテ・オルミ》

畑毎の香気成分の研究

 エノロゴである長男のリカルドは、2017年よりヴェローナ大学と共同で、葡萄由来の香気成分の研究を行っている。彼が着目したのは、畑事に葡萄が持つ香気成分が異なる事であった。この違いは、ワインの香りに直接影響するテロワールとして捉えられる一方、一部の香気成分は、醗酵中の酵母の働きによって明らかになる事を発見した。つまりは、畑のアイデンティティを最大限に表現するには、醸造も畑毎に細分化する必要があるという事である。まだまだ、テデスキのワインは進化しそうだ。



《ワイン畑の位置》
《伝統的なスラヴォニア産オークを使用》
《セラー内での陰干しの姿》
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